彼女の幸せ~B子の場合~①
結婚したくないA子が一番親しくしている友人B子。
彼女は人一倍結婚願望が強い。
真逆の二人は高校時代から仲が良く、趣味や性格的にも全く被る部分がないのに、どうしていつも一緒にいるのか不思議に思っていた。
B子は26歳で年下の男性と結婚したが、早く子供が欲しいB子と相反して「子供はいらない」と言い続けていた夫とうまくいかなくなり離婚。
元夫は趣味のためなら仕事をサボったり、B子に内緒で借金をするなど問題の多い男だったため、私を含めB子の友人たちは離婚を知った時は万歳三唱するくらい喜んだ。
それから数年後、今度は年上の男性とお付き合いを始めたのだが、「俺様気質」な男性のようで喧嘩をしては何度かくっついたり離れたりを繰り返していた。
そしてB子が「今度はもう完全に別れる。」と宣言をした5か月後、久しぶりに集合した友人たちの前で
「妊娠したから彼と結婚することにしたの。」
という突然のご懐妊&結婚宣言。
とっくに縁が切れていたと思っていた私たちは、一人残らずハトが豆鉄砲を食らったような顔をしていた。
ともあれ丸く収まったのなら…と、何でもない女子会がB子の結婚おめでとうパーティになろうとしていたのだが、B子本人はなにやら浮かない顔をしている。
(またなにやら面倒なことに巻き込まれそうだ…。)
長い付き合いの友達同士、顔色一つでなんとなく分かるようになっていた。
「どうした?なんかあった?」
聞きたいような、聞きたくないような。
モヤモヤしながらも一応問いかけてみると、
「実はね…誰にも言わないで欲しいんだけど…」
B子の告白は、私の想像の斜め上をいく内容だった…。
つづく